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日々盛り上がる商業BL、そして日に日に移り変わり商業BLトレンド。
そのBLには欠かせないカップリングですが、BL情報サイト「ちるちる」は2021年に出版されたBLコミックの攻め受けの特徴や作品内のテーマについて集計しました。
(ちるちるサイトに登録されたコミック数を集計しています)

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BLコミック発行数は2021年は紙で出版されたタイトル数は1484冊。電子のみの出版は2129冊。合計すると3613冊という結果になりました。(電子版の出版はのちに紙で出版されることもあるのでタイトルがかぶる場合があります)
2020年と比較すると紙の出版数が5%の増加ですので、ここBLコミックの出版数の伸びはまだ止まらない様子です。

もっとも多かった攻め属性は男前攻め

BLのキャラクターとしてかならず設定される「攻め」と「受け」ですが、2021年に発行されたBLコミックでは、どんな属性が多かったのでしょうか。
もっとも多かった攻めキャラの属性をランキング形式にしました。

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2021年 多かった攻め属性
1位 男前
2位 執着
3位 黒髪
4位 ワンコ
5位 年下
6位 20代
7位 健気
8位 スーツ
9位 年上
10位 スパダリ

作品数1位に輝いたのは「男前攻め」でした。男前攻めとは、真っ直ぐに愛を伝え、相手を気遣いながらも積極的にアプローチする…というまさに外見・性格ともに「イケメン」な攻めを指します。
男前攻めはここ数年作品数がダントツ1位となっており、今やBLには欠かせない攻め属性になっています。
2位は「執着攻め」。良く言えば情熱的、悪く言えば執拗に受けに介入し、時にその愛情が行き過ぎてしまう……。やや危うさを孕んだ性格が人気の属性です。
4位の「ワンコ攻め」は、ワンコのように好きな人になついたり甘えたりするイメージの攻めを指します。
注目は、10位の「スパダリ攻め」。スパダリとは「スーパーダーリン」の略称で、社会的地位がありお金持ち、かつ外見を含め身体能力が抜群な人物を指します。一昔前は傲慢なキャラクターを表すことが多かったのですが、近年は相手を労り包み込む、理想的な「彼氏」を体現したようなキャラクターを形容することも増えてきています。
前年まではさほど多くありませんでしたが、2021年に急増した攻め属性です。

やっぱり人気の健気受け

それでは受けキャラの属性ランキングをみていきましょう。結果は次の通り。

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2021年 多かった受け属性
1位 健気
2位 美人
3位 黒髪
4位 ほだされ
5位 天然
6位 意地っ張り
7位 20代
8位 ワンコ
9位 強気
10位 ゲイ

受け属性の作品数1位になったのは「健気受け」です。こちらも「男前攻め」と同じく、長年最多受け属性になっています。苦しい状況に陥っても負けずにがんばる受けはいつの時代も人気です。
美人受けも「健気受け」と同じく常に上位にランクインする属性です。男性に向けて「美人」という表現を使うのは少しイメージしづらいところがあるかと思いますが、凛とした雰囲気があり、筋の通った美しさを感じさせる属性のキャラクターと理解していただけるといいでしょう。
4位は「ほだされ受け」。「執着攻め」と相性がぴったりで、執拗な攻めのアプローチに徐々に受けの心を溶かされていく過程はBLストーリーの王道パターンとなっています。
ほかランクインした受け属性は、例年とそれほど大きく順位が変わっていません。

2021年最も多かった設定は「すれ違い」

次に商業BLコミックに多かった設定をランキング形式にしました。

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2021年 多かったシチュエーション
1位 すれ違い
2位 誤解・思い込み
3位 ファンタジー
4位 同級生
5位 片思い
6位 年の差
7位 再会
8位 身長,体格差
9位 リーマン
10位 人外

2021年多かったシチュエーションですが、「すれ違い」設定が1位でした。2位の「誤解・思い込み」も含めて、恋半ばで起こる二人の気持ちの揺れ動きはBL最強のスパイス。いつの時代も人気の設定です。
注目は3位の「ファンタジー」です。2021年は前年と比較して大幅に「ファンタジー」作品が増加しました。BL小説では「ファンタジー」設定は一般的でしたが、コミックではさほど目立たない設定でした。しかし2021年は『夜明けの唄』(作:ユノイチカ)のヒットなど「ファンタジー」設定のBLが人気となり、作品数でも大きく躍進しました。ほか4位以下の設定については例年どおりの作品数と安定しています。
基本トレンドに大きな変化はないものの、毎年流行のキャラクター属性や設定の作品がいくつか顕著に増える傾向があります。

気になるBLのセクシー度に変化はあった?

そしてBLといえば、内容のセクシー度が気になる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

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2021年に出版されたBLコミックのセクシー度の割合を見ていきますと「普通」が約5割でした。セクシーシーンが多めのBLは17%、セクシーシーンがないBLは1割弱という結果になっていますが、この比率は2020年とほとんど変化がありませんでした。

昨今盛り上がりを見せる商業BLジャンル。
今回の作品数ランキングで商業BLジャンルのトレンドをおわかりいただけたのではないでしょうか。

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