腐女子といえばBLを読む人を指しますが、BLにも商業BL、二次創作、ドラマCD、アニメなど、様々なコンテンツがあります。

腐女子マーケティング研究所では、BL好きの腐女子と漫画やアニメが好きな一般オタクそれぞれを対象に「オタクジャンルやメディア作品への関心アンケート調査」を実施。
今回は、これらのアンケート結果をもとに、ライトオタク層との比較からBLファンである腐女子のオタク的守備範囲はいかなるものなのか分析していきたいと思います。

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【アンケート実施内容】
〇腐女子
2020年11月に商業BLレビューサイト「ちるちる」にて腐女子ユーザー1,045人を対象に実施。
〇一般オタク
2021年5月にアンケートサイト「infoQ」にてアニメを観ている方で月に500円以上消費している所謂ライトオタク400人を対象に実施。
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記事グラフ内、腐女子は「ちるちる」(青)、ライトオタクは「ライトオタク」(水色)の表記になります。

腐女子はBL要素を吸収できるコンテンツに敏感

非BL作品でもキャラクター同士の関係性に注目

まずは二次創作から見ていきたいと思います。
pixivやツイッターにあふれる二次創作の数々ですが、原作が終了しても、その後も持続的に作品の世界観を楽しめるという特徴があります。
商業デビューした作家の多くは、SNSで二次創作や創作BLを投稿しており、デビュー前からファンだったという腐女子も少なくありません。
では、二次創作はどのくらい読まれているのでしょうか。

Q.二次創作作品は読みますか?

ライトオタクに比べて、腐女子は二次創作をよく読む人が多いことが分かります。
商業BLとは違い、ネットで無料公開されている作品も多く、日々BLを求める腐女子は日頃から二次創作もチェックしているのかもしれません。

二次創作は原作がアニメ化されたのちに盛り上がりを見せることが多く、アニメを見て原作にハマった人たちによる二次創作が増え、アニメ・原作の人気にさらに火をつけます。
続いて、どのようなアニメが人気なのか見ていきたいと思います。

Q.好きなアニメは?

ライトオタクには、『鬼滅の刃』や『名探偵コナン』といった流行の有名作品が圧倒的な人気を誇る一方で、腐女子には『ユーリ!!!on ICE』や『BANANA FISH』といったあまり一般的には知られていない作品が人気なことがわかります。
これらの作品は、メインのキャラクター同士のブロマンスが特徴的なニアBL作品として腐女子の間では捉えられており、男同士の関係性が密に描かれている点が人気の理由の一つと言えます。

腐女子の関心は基本的に2次元どまり

声優には敏感、アイドル・2.5次元俳優にはあまり興味なし

アニメを見ていると、聞き慣れた声優の声に気づく瞬間があります。
漫画やアニメ好きのオタクにとっては、声優も好きなジャンルの一つに入るかと思いますが、その関心はどの程度のものなのでしょうか。
※ライトオタクに関しては、ちるちるユーザーと質問系統が少し異なるため、回答は参考程度になります。

Q.好きな声優は?

ライトオタクはほとんどが「声優には興味がない」と回答する一方で、腐女子の回答が全項目に分かれていることから、声優への関心の高さがうかがえます。
腐女子が声優に詳しい背景には、若手男性声優の登竜門ともいわれるBLCDの影響が大きいと考えられます。
特に、アンケートでも人気1位&2位の斉藤壮馬さん・森川智之さんは、BLCD界にとって欠かせない存在。幅広い層から支持を得ています。

さて、ここまでは漫画やアニメ、またそれらから派生する声優などの2次元ジャンルを取り上げてきましたが、2.5次元・3次元への関心はどうでしょうか。

Q.好きな舞台俳優は?

アニメ人気から舞台化されることも多いですが、舞台俳優いわゆる2.5次元俳優にはあまり関心がないようです。
こちらは、ライトオタク層のほうが比較的詳しいように思えます。

続いては、3次元のアイドルです。

Q.好きなアイドルは?

こちらも2.5次元同様関心は低いです。
また、2.5次元同様にライトオタク層のほうが関心は高いようです。

以上から、漫画やアニメの2次元は腐女子、舞台俳優やアイドル2.5次元・3次元はライトオタクのほうが関心が高いことが分かりました。

女性キャラクターはサバサバした性格が好まれる

ドラマや少女漫画では芯の強い、自立したキャラクターに共感か

好きなアニメからは、腐女子らしい結果が見られましたが、ドラマや少女漫画の好みからはまた違った特徴が見られました。

Q.好きなドラマは?

Q.好きな少女漫画は?

腐女子・ライトオタクともにドラマも少女漫画も「見ない」「読まない」という人が多いですが、その中でも人気のラインナップを見るとある共通点が見えてきました。
以下は、ドラマ・少女漫画それぞれの上位4作品です。

ドラマ:『アンナチュラル』『逃げるは恥だが役に立つ』『SPEC』『花ざかりの君たちへ』
少女漫画:『ヲタクに恋は難しい』『ちはやふる』『NANA』『となりの怪物くん』

これらの作品に登場するメイン女性キャラクターは、その多くがサバサバしているもしくは強気な性格。
ストーリーの面白さはもちろんのこと、メインキャラクターにいかに感情移入できるかが重要なポイントになります。
腐女子・ライトオタクともに、芯がしっかりしていて自立しているヒロインに共感を覚えるのかもしれません。
BL作品の中では「地雷」といって読者にとってNGな存在にもなりうる女性キャラクターですが、腐女子の女性キャラクターの好みがよくわかる結果となりました。

好きなものには出し惜しみはせず後悔もしない

好きなものにはお金をかける。腐女子ならではのオタ活心理が明らかに

漫画やアニメのオタクジャンルは、原作だけでなく原作から派生したグッズやイベントが多いです。
ハマればハマるほど日々のオタ活の出費が増えますが、1か月平均でどのくらいお金を使っているのでしょうか。

Q.1ヶ月で趣味に費やす平均金額はどれくらいですか?

ライトオタクは1000円~5000円が圧倒的に多いですが、一方の腐女子は5000円~5万円までの回答数が大差ないことに驚きです。
己の好きなものを突き詰める腐女子層は、「好きなことには出し惜しみはしない」というスタンスの人が多いのかもしれません。

一度ハマれば容易には抜け出せないオタク沼ですが、いつかはその熱が冷める日が来るかもしれないのも事実。そんな時、それまで費やした時間とお金についてどう考えているのでしょうか。

Q.推しや好きなジャンルが変わったとき、今まで使った時間とお金に対してどう思いますか?

基本的に「なんとも思わない」人が多いですが、ライトオタクとの違いでいうと、腐女子は後悔よりも「今までつぎ込んだことを誇りに思う」人が多いです。作品や推しがもたらしてくれた幸福感はプライスレスなのかもしれません。

では最後に、ずばり!腐女子はどのタイプのオタクなのでしょうか。

Q.どのタイプのオタク?

一目瞭然、何より作品を読むことが好きなことが分かります。
2番目に多かったのが、「好きなものについて他の人と語り合いたい」という回答。
BLというジャンルはなかなか身近な人と共有しづらい部分がありますが、素敵な作品と出会えた時は誰かと共有したくなるのも腐女子の性と言えそうです。

まとめ

BL好きで知られる腐女子ですが、漫画から派生する二次創作やアニメ、また声優までのオタクジャンルに幅広く精通していることが今回のアンケート結果から分かりました。
1ヶ月の趣味への出費額からも、好きなジャンルへの熱量の大きさがご理解いただけたかと思います。

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