2020年に世界的に蔓延した新型コロナウイルス。
多くのイベントが中止となり、安全に家で過ごそうとステイホームが叫ばれましたが、BLの市場規模はどのような動きがあったのでしょうか。

腐女子マーケティング研究所では、2021年4月に商業BLレビューサイト「ちるちる」にて「消費に関するアンケート調査」を実施。今回は、腐女子ユーザー975人のアンケート結果をもとに、長引くコロナ禍で腐女子の消費活動がどのように変化したのかを分析していきたいと思います。

趣味(漫画)への出費はアップの傾向

外出できない分、家でBLや一般漫画を楽しむ時間が増加したことが影響か

コロナにより以前はできていたことができなくなり、日常生活が大きく変化しました。コロナ以前の趣味がフェードアウトし、新しい趣味が見つかったという人もいるはずです。
1ヶ月間の趣味への出費はどう変化したのでしょうか。

Q.最近1ヶ月の趣味への平均出費額に変化はありましたか?

「変わらない」と回答した人は30.5%いる一方で、「増えた」と回答した人は約半数の48.2%という結果に。
まずは増えた回答の内訳を見ていきましょう。

続いて減った回答の内訳です。

ユーザーがBL以外にお金をかけている趣味のジャンルで一番多かったのが、一般漫画でした。
外食や旅行、ファッションやメイクにお金を使うことは、外出規制の影響で全体的に減ったと考えられますので、やはりBLや一般漫画にお金を使うことが増えたのかもしれません。

続いて、BL関連にはどのくらいお金を使っているのか見てみましょう。

Q.1ヶ月に平均でBL関連にいくら使っていますか?

BL関連の1ヶ月平均消費額は2万円までの回答が多数でした。
BLに2万円とはどのくらいか、商業BLの単行本に置き換えて考えてみると、一冊700円の計算で28冊も買えることになります。
普段漫画を読まない人、軽く読む程度の人からすれば、1ヶ月に漫画に2万円は驚きの額かと思います。

では、年間ではどうでしょうか。

Q.年間でBL関連にいくら使っていますか?

「10万円以上」の回答が23%を占め最多でした。
何より驚きなのは、100万円以上と回答した人が11人、200万円以上が2人いたことです。
腐女子は好きなものへの出費を惜しまないことがこの結果からも読み取れるかと思います。

コロナ禍のイベント参加は配信派と現地派に分かれる

配信もいいけどやっぱり現地で参加したい!の声多数。ただ予算はほどほどに

コロナの影響で数々のイベントが中止となり、途中からオンライン開催へと転換していきました。
イベントはやっぱり生じゃないと……とイベントへの参加が減った人もいれば、オンラインになったことで参加しやすくなったという人もいるはずです。
ユーザーのイベント参加頻度はどう変化したのでしょうか。

Q.配信によってイベントの参加頻度は変わりましたか?

もともとイベントには参加していない人が多いようですが、配信になったことで参加回数が増えた人も多いようです。
現地だと一人で行きづらいけれど、配信なら家で一人でも気軽に参加できるという点が大きいのかもしれません。

配信に関しては、良いところ・改善すべきところを聞いてみたところ多くのコメントが寄せられました。以下は抜粋コメントです。

【メリット】
交通費が浮く
家でゴロゴロしながら見られる
アーカイブがある
周りの目を気にせず思い切り浸ることができる
チケット枚数に制限がない
【デメリット】
カメラワークに良し悪しがあるところ
回線が悪いと止まって悲しくなる
リアルよりも臨場感がない

現在は少しずつ現地開催も再開され始めていますが、配信でも参加できるという形式がスタンダードになりつつあります。
では、コロナ終息後はどういった参加形式が増えると予想されるのでしょうか。

Q.コロナ終息後のイベント参加形式はどうなると予想されますか?

イベントはやっぱり現地参加したいという人が多数
コロナ終息後に推しイベントがあった場合にかける予算に関しては、「ほどほどにしたい」という声が半数近くありましたが、「予算をかけたい」「思い切り予算をかけたい」という声も半数近くありました。

コロナによってオタク活動はネット型にシフト

電子・通販での購入が増加。ステイホームでも上手にオタ活継続

アウトドア派・インドア派ともにコロナによる外出規制などでオタク活動に多少の影響があったはずです。
この1年でユーザーのオタク活動はどう変化したのでしょうか。

Q.この1年でオタク活動に変化はありましたか?

電子書籍、通販での漫画やグッズの購入、ライブ配信でのイベント参加が増えたという回答が上位に。
店舗のクローズや在宅時間の増加が、電子書籍、通販の利用率増加に大きく影響したと言えます。

では、こうしたオタ活への影響をユーザーはどのように考えているのでしょうか。

Q.コロナによってオタク活動に変化はありましたか?

何よりBL作品を読むことが大好きなユーザーにとって、ステイホームが増えたことはそこまでオタ活への影響はなかったのか、変わらないと回答した人は32.8%を占めました。
ただ、全体的には半数近くの人が活動しにくくなったと感じている模様。
果たしてコロナ終息後、ユーザーのお財布の紐は緩くなるのか固くなるのか、今後も消費活動の動向に注目していきたいと思います。

まとめ

腐女子にとってステイホームはむしろ購買欲を高め、趣味(BLや漫画)への出費はコロナ以前よりも増加しました。
また、コロナ禍で急速に普及した配信イベントは意外にも人気なことがわかりました。ただ、熾烈なチケット戦争がない分参加しやすいなどのメリットだけでなく、音質・画質・電波の問題などのデメリットもあるようです。
オタク活動に関して言えば、通販や電子書籍のネット型に大きくシフト。趣味の漫画には影響はありませんが、イベント参加を積極的にしてきた人はやや活動しにくくなったようです。

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