ユーザー投票分析から見るBLアワード2023

来たる3月31日、年に一度の祭典「BLアワード2023」の結果が発表されました!

有効投票数はなんと19,335票!(昨年比10%増)
本当にたくさんの方に投票していただいて大変嬉しく思っております。

今回は、過去イチの盛り上がりを見せた「BLアワード2023」の投票結果から傾向を見てみたいと思います。

画像


年代別の投票者を見ると20代の投票者が最も多く、次いで10代からの投票が多い結果となりました。
10代・20代の投票数を合わせると全体投票数の50%を超え、若年層からの支持率の高さがうかがえます。

画像


また、国外からの投票数は全体の5%程で、特に中国語での投票が多い結果となりました。

画像
BLソムリエ メソッド8分類
画像
「BLアワード2023」受賞作品の分類


BLソムリエ メソッド8分類で見ていくと、例年と比べて今年は王道甘々系の比率が高かったように感じます。

BESTコミック部門 投票傾向

画像


2023年は近年稀に見る、年代別でギャップの少ない投票傾向となりました。特に全世代で上位3作品がランクインするのは過去の結果を見ても中々ない結果で、かなり驚いています。

2021年の上位作品の傾向は「ややストーリー重視な王道タイプ」、2022年の上位作品の傾向は「ストーリー重視で恋愛要素以外ありの作品タイプ」となっていましたが、2023年は「オーソドックスな王道作品タイプ」が票を集めた結果となりました!
前半はいわゆる「闇BL」がTikTokで人気を集めていましたが、後半で一気に入れ替わったかなという印象です。

2021年と2022年のBESTコミック部門の投票傾向はこちら。

画像
BESTコミック部門2021
画像
BESTコミック部門2022

BESTシリーズ部門 投票傾向

画像

世代間でギャップの少ないコミック部門とは打って変わって、世代によって大きく投票傾向が異なったBESTシリーズ部門。

25時、赤坂で 4』が4巻にして過去最高の得票数を獲得しました。
4巻目で最高順位を獲得した作品は2012『憂鬱な朝』、2021『ギヴン』の2作品しか前例がありません。

10代は王道でかわいらしい、きれいな作風の作品に支持が集まった一方で、20代は2010年代中盤に大人気の作家のシリーズ作に投票した方が多い印象でした。
また、30代~40代は、制作がシュークリームの作品に投票が集中し、50代以上は『同級生シリーズ』『ブルースカイコンプレックス』が根強い人気を誇る結果となりました。

BEST次に来るBL部門 投票傾向

画像

「次に来るBL」部門は例年斬新な作風や尖ったストーリーの作品が入賞する傾向にありますが、今年は王道作品が上位を占める結果となりました。

一見異色な作風も最後はハッピーエンドにまとめられた作品が支持されており、全体的にエロ、ストーリー、キャラクターのバランスがよく完成度が高い印象です。

また、上位作品はシュークリーム制作の作品に投票が集中し、集英社や白泉社などこれまでBLをメインに扱っていない出版社の作品が上位に入賞しました。

一見異色な作風も最後はハッピーエンドにまとめられた作品が支持されており、全体的にエロ、ストーリー、キャラクターのバランスがよく完成度が高い印象です。

また、上位作品はシュークリーム制作の作品に投票が集中し、集英社や白泉社などこれまでBLをメインに扱っていない出版社の作品が上位に入賞しました。

BEST官能部門 投票傾向

画像

BLの華!といえばお耽美なエロシーン。
弊社の見解では、BLのエロはいくつかのタイプに分かれています。

・擬音汁っけ多めにガツガツ執着したエロ。
・強引さと優しさのバランスよいポップエロ。
・筋肉や特定の性癖に執着したフェティッシュエロ。

今年の流行はずばり、ポップエロ
筋肉や肉体に執着したフェティッシュな伝統的エロは振るわず、王道路線のエロが支持された結果となりました。

BESTディープ部門 投票傾向

画像

BESTディープ部門は今回のBLアワードの中でもっとも評価が割れたジャンルとなりました。
10代~30代までは『憐れなβは恋を知らない 』、40代以降は『とめどなく、シュガー』と投票結果が真っ二つに分かれる結果に。
また、下位の作品も一定の傾向というものがなく、個性派揃いのディープ部門らしさが出た結果となりました。

************

まとめ

今年の受賞作品は全体的に王道作品一色!
2010年代のシリアスあり、ギャグありのサブカル個性的なBL群から、BLの土台を作った2000年代王道BLにめぐりめぐって戻ってきた印象です。

個性の強い作品のピークは2017年。それから一般受けする王道系とおしゃれな個性系が伯仲しながら次第にBLトレンドは王道系作品に傾いているように思えます。
ストーリー重視の作品でも、王道BLのエッセンスを含めたつくりにシフトしており、一般受けを目指したつくりが流行しています。

しかし、今年、来年が王道系のピークと予想され、これから5年ぐらいかけてシリアス系のトレンドに振れていくと思われます。
来年は少し王道からはずれた癖のある作品がランクインするかも?

コメントは停止中ですが、トラックバックとピンバックは受け付けています。